静岡地方裁判所 事件番号不明 判決
被告人 Y(昭一五・一一・一五生)
K(昭一七・六・一五生)
M(昭一八・一・三〇生)
主文
被告人Y、Kをそれぞれ懲役三年以上四年以下に
被告人Mを懲役二年以上三年以下に
各処する。
未決勾留日数中六〇日を右本刑にそれぞれ算入する。
理由
(罪となる事実)
第一 被告人等三名は、Dと共に、昭和三四年七月二七日午後一一時頃、清水市○○町○○番地○○神社裏道路を、友人と連れだつて通行中のA子(当時一八年)を認め、同女らを右神社境内に連行したが、同女が危険を感じて逃げ出したので、さらに被告人Yが追跡して同女を捕え同所附近の○○幼稚園内に連れ込んだ。そこへ再び被告人K、M、Dらも来合せ同女を取り囲んで話すうち同女を強いて姦淫しようとの共謀が成立し、被告人Y、同Kが厭がる同女の両腕を掴んで逃げられないようにして翌二八日午前一時頃右神社より北西約一・八粁も離れた同市○○字○○○地内の茶畑内に連れ込んだ上、同女を取囲み被告人Mが「声なんか出したら唯ではおかないぞ、俺はカーツとなつたら何をするか分らない、一人や二人殺す位何でもない」と脅迫し被告人Kが同女をその場に押し倒し手足を押えつける等の暴行を加えて同女の反抗を抑圧した上被告人K、同M、D、被告人Yの順に強いて同女を姦淫しその際、被告人らの暴行により同女に対し全治一週間を要する処女膜裂傷を負わせ、
第二 被告人Yは前同日同所において、前記強姦により畏怖している同女から金員を喝取しようと企て同女に対し「静岡へ帰る電車賃を二百円貸せろ」と要求し、その時その場で同女から現金二百円の交付を受けてこれを喝取したものである。
(証拠の標目)
判示事実は、
一、第一回公判調書中の被告人Y、同K、同Mの各供述記載
一、被告人Y、同K、同Mの当公判廷における各供述
一、被告人Y、同K、同M、Dの司法警察員(各二通)並びに検察官(各二通)に対する各供述調書
一、A子の司法警察員(二通)及び検察官に対する各供述調書
一、○田○司の司法巡査に対する供述調書
一、医師神代惟俊作成のA子に対する診断書
一、司法警察員作成の実況見分調書(同書添附の写真九葉並びに図画二枚を含む)
を総合してこれを認める。
(法律の適用)
法律に照らすと、被告人等の判示第一の所為は刑法第一八一条第六〇条に、被告人Yの判示第二の所為は同法第二四九条第一項にそれぞれ該当するところ、判示第一の強姦致傷の罪につき所定刑中有期懲役刑を選択し被告人Mについては諸般の情状を考慮し同法第六六条第七一条第六八条第三号により酌量減軽し被告人Yの判示第一、第二の各所為は同法第四五条前段の併合罪の関係にあるので同法第四七条本文、第一〇条により犯情の重い強姦致傷罪の刑に同法第一四条の制限内で加重した各刑期範囲内で処断すべきところ、被告人等はいづれも少年法第二条の少年であるので同法第五二条第一項を適用し被告人Y同Kを懲役三年以上四年以下に、被告人Mを懲役二年以上三年以下にそれぞれ処し刑法第二一条により未決勾留日数中六〇日を右各本刑に算入し訴訟費用については被告人等において負担することができないこと明らかであるから刑事訴訟法第一八一条第一項但書に従い被告人等にはいずれも負担させないものとする。
よつて主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 矢部孝 裁判官 高島良一 裁判官 井田友吉)